トークイベント「福山の市章と武田五一」

2025. 06. 5 / News

 

SLAP it Project vol.5 小野環「百蝙蝠」の関連プログラムとして、トークイベント「福山の市章と武田五一」を開催します。

本イベントでは、蝙蝠を意匠とする福山市の市章の選定に携わった建築家・武田五一に焦点を当て、その業績と地域との関わりを手がかりに、小野環氏による展覧会「百蝙蝠」の主題とそのアプローチを読み解いていきます。ゲストスピーカーには、長年にわたり武田の研究を続けてきた谷藤史彦氏を迎え、まずは武田の人物像と建築活動に関する講演が行われます。講演では、1926年に竣工した福山市公会堂の設計や市章選定の経緯をはじめ、スパニッシュ様式を基調とした代表作、さらには国会議事堂設計への関与に至るまで、多岐にわたる業績が紹介されます。続いて、小野氏より、展覧会において福山市の市章をモチーフとして取り上げた意図とその背景について語られ、蝙蝠という象徴を通して空間の知覚や都市の記憶にアプローチする本展の視座が提示されます。最後には、登壇者によるクロストークを通じて、建築と都市、象徴と記憶をめぐる多角的な視点から、本展のテーマについて理解を深める機会となるでしょう。

 

プログラム概要

登 壇|小野環(SLAP招聘アーティスト)、谷藤史彦(下瀬美術館前副館長)
司 会|菅亮平(美術作家 / SLAP総合ディレクター)
開 催|2025年7月5日(土)
時 間|17:00-19:00
会 場|コワーキングスペースtovio
住 所|福山市西町1-1-1 1F iti SETOUCHI内
参 加|1,000円(税込)※現金のみ

お申し込みはこちら
※イベント参加者は当日tovioの展示を無料でご観覧いただけます。

 

登壇者のご紹介

Photo of 小野環
ⓒ人と尾道
小野 環|Tamaki Ono
1973年 北海道函館市生まれ。1998年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画(油画)専攻修了。絵画とインスタレーションを軸に、日常の事物や場所の来歴に注目した作品を制作。並行して、アーティスト・イン・レジデンスの運営や空き家再生活動を起点に、様々な領域の専門家とコラボレーションしつつ活動を展開。2021年に第24回岡本太郎現代芸術賞特別賞を受賞。近年の主な展覧会に「複数形の世界のはじまりに」(東京都美術館、2018)、「Re-edit再編」(個展、光明寺會舘、2022)がある。キュレーションに「NEW LANDSKAP シュシ・スライマン展」(尾道市立美術館ほか、2023年)、「未完の和作」(小林和作旧居、2024年)などがある。現在、尾道市立大学芸術文化学部美術学科教授、AIR Onomichi実行委員会代表、NPO法人尾道空き家再生プロジェクト副代表理事。

 

谷藤 史彦|Fumihiko Tanifuji(ゲスト)
1955年 岩手県生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。京都大学大学院にて博士(人間・環境学)を取得。ふくやま美術館、下瀬美術館の副館長を歴任。主な展覧会企画に「フランク・ロイド・ライトと武田五一」、「ピカソ展」など。主な著書に『祭りばやしのなかで ―評伝 高橋秀』(2015年)、『ルチオ・フォンタナとイタリア二十世紀美術』(2016年)、『武田五一的な装飾の極意』(2017年)、『藤井厚二の和風モダン』(2019年)など。

 

菅 亮平|Ryohei Kan(司会)
1983年愛媛県出身。2013年「ドイツ学術交流会奨学金(DAAD)」を受賞して以降、ミュンヘンと東京を拠点に活動し、2016年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、博士号(美術)を取得。2019年ミュンヘン国立造形美術アカデミー修了、フローリアン・プムへスル教授のもとでマイスターシューラー号を取得。「空虚(Void)」をめぐる思考をもとに、多様なメディアを横断的に扱いながら作品制作とアートプロジェクトに取り組み、国内外で発表する。2022年にSLAP総合ディレクターに就任、瀬戸内エリアの文化創生・振興プログラムの企画・監修・運営に取り組む。